異国情緒がある長崎。周遊していると、いつの間にか中国や西洋の文化に囲まれていることがあります。特に中心部のエリアには、ぎゅっとコンパクトに多様な個性が生きているのです。そして、長崎に暮らす人々にとってそれは日常の風景。今回は、仲良し女子3人旅の御一行がこの地を訪れます。1泊2日で味わえる、バラエティ豊かな過ごし方をご案内します。
到着したらまず、美味しいランチでお腹を満たしたい!でも、やっぱり旅先ならではの土地のものを。そんな時、長崎市が誇るブランド牛「長崎和牛出島ばらいろ」を気軽に味わえる〈ミートスッキー〉がおすすめです。地元商店街で親しまれる精肉店が手がけた店で、とっておきのメニューが揃っています。
平成24年に開催された5年に一度の和牛のオリンピック「第10回全国和牛能力共進会」で、内閣総理大臣賞を受賞し日本一の称号を手にした「長崎和牛」。「出島ばらいろ」は、その中でも長崎市内の限られた農家だけが生産する貴重な極上ブランド牛です。最大の魅力は名前の由来になっているとおり、牛肉本来の鮮紅色(=バラの花の色)、バラ肉が厚いという点、そして何よりもお肉の旨み。「霜降り」だけに偏らず「赤肉」と霜降り」のバランスを追求した肉質、さっぱりとしたくちどけの中にしっかりと味わえる肉本来の旨み、その両方を追求しながら生産されているのが「出島ばらいろ」です。
香ばしさ広がる「ロースステーキランチ」2,180円。ソース・わさび・岩塩など色んな付け合わせで楽しめます。
「焼肉ランチ」1,410円は、お手頃価格ながらもボリュームたっぷり!味付けはしっかり濃い目なので、ご飯の箸が止まりません。
今だけ!冬限定「長崎和牛出島ばらいろ すき焼き定食」1,580円は、長崎和牛・出島ばらいろの旨みを堪能できる贅沢なメニューです。
大きくて鮮やかな赤色をしたお肉を召し上がれ。
お腹いっぱいになったら、少しだけ中島川沿いを散策。中島川には多くの石橋が架かっており、昔ながらの懐かしい和の雰囲気もあれば、どこかモダンな風情もあるまち並みは歩く人を飽きさせません。その石橋群の一つ、現存最古のアーチ型石橋として国の重要文化財に指定されている眼鏡橋あたり。道中ふと目に留まった町屋風な観光案内所〈もてなしや〉へ。食品・雑貨・県産酒などの長崎土産がずらりと並んでいます。どれも長崎の文化や歴史を表現した品々で、選りすぐりの人気商品が一堂に会したセレクトショップでした。観光マップや、ひとやすみできる休憩スペースも用意されているので、まちぶらの寄り道にぜひ。
場所は現存最古のアーチ型石橋として国の重要文化財に指定されている眼鏡橋あたり。
長崎の観光名所・南山手にやってきました。このエリアは、異国情緒あふれる洋風な景観が迎え入れてくれます。賑やかなお土産通りの坂道を登っていくと、道ゆく人々の視線を集める看板が見えてきました。SNSでも話題の〈長崎南山手プリン〉です。美しい幻想的なステンドグラスを3種の果肉入りジュレで表現したプリンは、食べて美味しい!撮って可愛い!南山手の新・名物スイーツ。食後のデザートに、お土産に、手のひらサイズのステンドグラスはいかがですか?
人気商品「プリンソフト」600円もおすすめ。カップの下にはプリン、上にはソフトクリームにカラメルソースをトッピングしたコラボ!
小さなステンドグラスを楽しんだ後は、南山手のランドマーク〈大浦天主堂〉にある“本物”もこの目で確かめておかないと。日本最古の教会建築は、国宝に指定されている歴史的価値のある建物です。また、世界文化遺産にも登録され、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の一つとなっています。青空の下で映える白亜の教会や、奥にある旧羅典神学校の建物など、敷地内を散策するだけで異国の雰囲気たっぷり。特に3人の心を掴んだのは、教会の中で輝いていた神聖なステンドグラスの光。外側から見た窓の模様と、内側だと見える光が織りなす神秘的な模様とでは、全く異なる印象になるから不思議です。映し出される光の美しさは、時間帯によって表情を変えるため、この日この時に訪れた〈大浦天主堂〉のワンシーンを、特別な思い出として心に焼き付けて。
教会の芸術的なステンドグラスをじっくりと鑑賞していたら、きっと欲しくなるお土産。自分で作れたらもっと感動できるはず。〈グラスロード1571〉では、長崎のガラスの郷土玩具・ポッペンの絵付け体験で、楽しみながら思い出もお土産も作ることができます。
柄のない透明なポッペンの表面に、絵の具でオリジナルの模様をつけていきます。筆を取り始めたら会話も忘れて夢中になる3人。完成したら、「できたよ!」「見せて見せて!」「ここ失敗しちゃった〜」とわいわい盛り上がっています。美しいステンドグラスを五感で味わい、その後はまるで作家のように創作に没入。南山手のカラフルな想い出を、形にしてみませんか?
完成したら、焼き付けをして後日配送してもらいます。焼き付け後の仕上がりもほぼそのまま!
ポッペンとは、そっと息を吹き込めば「ぽこ!ぽこ!」と軽やかに音が鳴る長崎ビードロのおもちゃです。上手に音を鳴らすには少しコツがいるみたい。
ガラス絵付け体験(10:30〜14:00)│前日までの要予約│1組最大15名まで│
本日はゲストハウスに泊まります。長崎らしさをより深く味わうためにちょっとアレンジ。夜ご飯は、地元暮らしを感じる食材をテーマに、3人自ら調達!ゲストハウスへ向かう道すがら、繁華街やアーケードでお店を巡ります。例えば、飲食店も仕入れをする〈甲田鮮魚〉。長崎の海で獲れたものを中心に、新鮮かつ豊富な種類の魚が店頭に並びます。まちの鮮魚店での刺身のテイクアウトは、魚が美味しい長崎旅ならアリなんです。予算や好みに合わせて自由に見繕ってくれるというから、五島のクロマグロに長崎産のウチワエビまで、海の恵みをふんだんに盛り合わせた贅沢すぎる一皿に!賢く、ちょっぴり背伸びしたやり方で、羨ましすぎる長崎の特権を体験してみましょう。
見惚れてしまうほど色鮮やかな刺身を大皿で。宿まで我慢できない!
「うちわ」のように独特な形をしたウチワエビ。活きエビのプリプリな身をいただきます。
脂の乗った五島のクロマグロ。刺し盛りの主役の登場です!
〈甲田鮮魚〉の刺し盛りに加え、鯨専門店〈くらさき〉の「ながさき鯨カツ」、お弁当とおにぎり専門店〈茶の間〉のおにぎりをテイクアウト。全国でも有数の漁獲量を誇る長崎は、魚のおいしさが自慢。また縄文時代から始まる鯨食文化は、江戸時代、県下に豊かな漁場が点在ししたため深く根付きました。そして、昭和40年代に創業した〈かにや〉というお店がきっかけで定着した「夜のシメはおにぎり」の新しい文化。長崎の暮らしに入り混じる、さまざまな食文化を集めました。
改めて今回の宿〈長崎坂宿〉へ。場所は、坂のまち・長崎らしい斜面地を登り、細い路地の奥へと進んでいった先にあります。迷い込んだように小径を抜けていくと現れるのは、看板のない民家。〈長崎坂宿〉は、古くなった民家や空き家だった建物を宿としてゲストを招きます。一軒一軒丁寧に、建物や場所の個性に合わせてリノベーション・再生。そこに辿り着くまでの道のりも、窓から望める斜面地の夜景も、長崎にとっては当たり前な風景を体感できる宿なのです。「長崎の日常って、こんな感じなのかな?」。食卓に並べた「長崎ならではメシ」を囲んで語らえば、窓から漏れる宿の灯りが、いつの間にか日々の夜景の一部になって長崎の夜を照らしています。
「茶の間」で握ってもらった色々な具のおにぎり。長崎らしく、シメまで取っておきましょう。
秘伝のタレにじっくりと漬け込んだ、地元で長く愛される一品です。
TEL : 095-823-7170
長崎市高平町16-9
基本料金:7,000円〜
追加料金:清掃費用4,500円/回
最低宿泊日数:2泊〜
最大宿泊人数:6名
交通:長崎電気軌道「崇福寺駅」から徒歩10分
駐車場:なし(崇福寺駅に有料駐車場)
予約はホームページより
https://www.nagasaki-guest.com
長崎旅・2日目の朝。散歩の途中で出会ったのは、自家製天然酵母パンと焼き菓子の店〈ちびころ〉。4〜5人入ればいっぱいになってしまいそうなミニマムなお店です。店内には、小さめサイズの可愛らしいパンや、タルト、ケーキ、クッキーなどの焼き菓子などが並んでいます。店主の田川さんが1人で切り盛りしているため、作るパンも小ぶりなものに。でも、その分いろんな種類のパンをちょっとずつ食べられるから、かえってあれもこれもと手に取ってしまいます。田川さんお手製のアクセサリーも販売されていたりと、他のパン屋さんとは少し違った愛らしさがあります。近所にあれば通いたくなる、お気に入りの場所に出会うことができました。
「チョコチップパン」などのパン各種は、手のひらサイズの食べやすい大きさ。
長崎に来たのであれば、代表的ビュースポット・稲佐山は外せません。「長崎稲佐山スロープカー」は2020年に誕生したばかりで、稲佐山中腹駐車場から山頂までを結ぶ新しい移動手段。デザインは、工業デザイナー奥山清行氏が率いるKENOKUYAMADESIGNが手掛けました。スタイリッシュな空間と、登頂までの景色を存分に楽しむための造りに、期待感が高まります。昼間は山や海の自然な風景を、夜は包み込むような夜景の中を通り抜けながら、頂上までの道のりをお楽しみください。
TEL : 095-861-7742
長崎県長崎市大浜町1200(稲佐山公園)
営:9:00~22:00
9:00~18:00 20分間隔 / 18:00~22:00 15分間隔
スロープカーで展望台までやってきたら、今年リニューアルしたばかりの頂上レストランで絶品ランチをいただきましょう。全面ガラス張りの向こうには、長崎を隅々まで一望できる全景が広がっています。広々としたゆったりと座れるテーブル席で、目の前の景色にしばしうっとり。
こんな最高なロケーションでいただくメニューは、ちょっぴり上品バージョンの「稲佐山トルコライス」がおすすめ。チーズリゾットや、フランス流の製法を取り入れ独特な衣で包んだエビフライ、長崎県産の食材で作られたハンバーグなど、庶民的なトルコライスのイメージを覆す逸品です。アラカルトはもちろん、各種コースメニューも用意されているので、バリエーション豊富に楽しませてくれます。開放的なランチタイムから一転、ディナータイムは夜景と落ち着いた照明でムーディな雰囲気。どのシーンを切り取っても期待を裏切らない、心もお腹も満たされる長崎の新しい定番スポットが誕生しています。
「稲佐山トルコライス」1,300円。ボリュームもちょうど良く、気分は本格フレンチ。
広がる絶景に、気分も上々!
展望台まで出てみれば、360度見渡せる長崎の風景に包まれます。
TEL : 050-3317-0100
長崎市稲佐町364
営:ランチ 11:30~14:30(L.O.)14:00
カフェ 14:00~16:30
ディナー 17:00〜23:00(L.O.)21:30
グルメも景色も体験も、ぜんぶ思いっきり満喫した旅の最後は、帰った後も長く余韻に浸れる素敵なお土産選びの時間に。JR長崎駅のアミュプラザ長崎1階は、オーソドックスな定番から新しいシリーズモノまで多くのお土産品が並んでいますが、実は同階にあるアパレルブランド〈アーバンリサーチ〉では、感度の高い人にもススメたい、素敵な雑貨コーナーが設けられています。
長崎県の企業やクリエイターとともに長崎の魅力を伝えるプロダクトを制作する「JAPAN MADE PROJECT NAGASAKI」。長崎店より発祥したプロジェクトは、「長崎創生プロジェクト事業」に認定されており、全国の主要観光地などにあるアーバンリサーチ数店舗にも展開しています。食器や急須などの陶器、インテリアやオブジェとしてのステンドグラス、今話題の〈恐竜博物館〉をデザインした手ぬぐいなど、ユニークでハイクオリティな作品ばかり。長崎の旅を通して感じたエッセンスを、少しだけ自分の日常に持って帰るつもりで、琴線に触れる一品を選んでみて。
〈UR〉×〈たてまつる〉のコラボ手ぬぐいシリーズ。2021年のデザインは、
野母崎に新しくオープンした恐竜博物館がモチーフの「DinosaUR Nagasaki(ダイナソー ナガサキ)」1,265円
〈aiyu〉の波佐見焼など、ギフトにもぴったりな日常使いできるものばかり。